NetBeans zip版とは
インストールせずに、解凍するだけで起動できるNetBeansです。ただし、設定ファイルを少しだけ編集する必要があります。
大きな利点は次の2つです。
- 複数のNetBeans環境を使い分けることができる
- NetBeansをUSBなどに入れて持ち歩ける
Eclipseだと、ワークスペースを切り替えることで、独立したEclipse開発環境をいくつも利用できますが、NetBeansではプロジェクトグループを作成します。プロジェクトグループは、特定のフォルダ内のプロジェクト単位に作成したり、任意にプロジェクトを集めてきて作成したりできます。
ただ、かならずプロジェクトグループを切り替えないといけないので、同時に2つ以上のプロジェクトグループを表示することはできません。このあたり、Eclipseの方が使い勝手がよいと思います。
しかし、zip版を使うと、分野別に、複数のNetBeansを起動できるので、ワークグループ切り替えが不要で、ほぼEclipseと同じ感覚で使えるよになります。ついでに、それぞれの起動アイコンを作っておくと、さらに快適です。
欠点は次の2つです。
- 環境ごとにNetBeansのプログラムと設定ファイルが必要なので、ディスクスペースを余計に消費する
- 設定ファイルの編集(といっても3行だけですが)が必要
ダウンロード
zip版は次のURLからダウンロードできます。
NetBeans IDE ダウンロード https://netbeans.org/downloads/8.0.2/zip.html
javaSE用、javaEE用など用途別のNetBeansをダウンロードできます。
設定ファイルの編集
ダウンロードしたファイルを任意の場所に解凍します。
netbeansというフォルダができるので、その中の、etcフォルダにあるnetbeans.confファイルをエディタで編集します。編集するのは、31,32行目にあるシステムディレクトリの設定と、59行目にあるJDK環境変数の設定です。
システムディレクトリの設定
NetBeansを2つ以上動かす時、システムディレクトリはそれぞれ別な場所にします。任意の場所を設定できます。初期値は、次のようにデフォルト値が適用されるようになっています。
31 netbeans_default_userdir=”${DEFAULT_USERDIR_ROOT}/8.0.2″
32 netbeans_default_cachedir=”${DEFAULT_CACHEDIR_ROOT}/8.0.2″
これを、例えば、次のように変更します。
31 netbeans_default_userdir=”G:/NetBeans1/netbeans_userdir”
32 netbeans_default_cachedir=”G:/NetBeans1/netbeans_cachedir”
NetBeans1のように、ディレクトリ名に番号を付けているのは、2つ目、3つ目のNetBeansを使う時、これをコピーして番号だけを変えればよいようにするためです。
JDK環境変数の設定
デフォルトでは、次のようにコメント文になっているので、先頭の#を取り、JDKをインストールしてあるフォルダを指定します。
59 #netbeans_jdkhome=”/path/to/jdk”
↓
59 netbeans_jdkhome=”C:/java”
設定ファイルの編集は以上です。
NetBeasnsの起動
netbeans/bin/フォルダに、32ビット版のnetbeans.exeと、64ビット版のnetbeans64.exeがあるので、どちらかをダブルクリックして起動します。しかし、exeファイルをマウスの右ボタンでクリックし、[ショートカットの作成]を選んで、起動用アイコンを作っておく方がいいでしょう。
作成したアイコン(ショートカット)に適当な名前をつけ、デスクトップに貼っておくと、どのNetBeansを起動するか、わかりやすくなります。
著者は、解凍したnetbeansフォルダを3ほどコピーし、それぞれの設定ファイルを変えて、異なる3つの作業で使っています。プロジェクトグループで分けるよりもわかりやすく、また、同時に起動できるので、重宝しています。